• 長さよりも質が大切!? 高齢者は睡眠の質が低いと脳が縮小してしまうらしい!

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    加齢に伴って生体リズムが徐々に変化してくる高齢者にとって、良質な睡眠を毎日きちんととることは意外と難しいことかもしれません。

    これまでも高齢者の理想的な睡眠時間は7時間程度というニュースをご紹介したこともありますが、いくら長くお布団に入っていても、夜中に何度も起きてしまったりと、睡眠の質が低ければきちんと眠れていることにはなりません。

    イギリス・オックスフォード大学の研究者らが今年9月に科学誌「Neurology」に掲載した論文によると、睡眠の質が低い高齢者は脳の縮小スピードが早いのだそう。

    平均年齢54歳、約150人の成人を対象に脳スキャンを平均3.5年の間を空けて2回実施。睡眠時間や睡眠薬使用の有無、日中に感じる眠気の有無など睡眠の質に関する質問を併せて行ったところ、「睡眠の質が低い」とされる人はそうでない人に比べて脳内の全頭皮質という部分が縮小していることが分かったそうです。特に60歳以上の高齢者は睡眠の質と脳の縮小との間に強い相関関係があったとも報告されており、高齢者にとっては無視できない研究結果です。

    縮小が確認された脳の部分は、記憶や推論、計画、問題解決などを行う際に活躍する部分。睡眠の質が低いと脳の老化が早まり、脳が老化すると良質な睡眠がますます取りにくくなるとも研究者は指摘しており、睡眠の質を保つことの大切さが今回の研究で明らかになりました。

    寝ている途中で目が覚めてしまうと、脳が機能を回復しようとしている作業が途中で中断されてしまい、老化を食い止めることが難しくなることが原因とも言われています。そう考えると、ぐっすり眠れる環境を整えることの大切さを改めて認識する必要がありそうです。

    ぐっすり眠る為には、室温の調節や明るさなどの環境に加えて、眠りを誘うラベンダーの香りなどアロマを活用することも一つの方法。皆さんも、ご自身の睡眠の質を今一度見直してみてはいかがでしょうか?